ミラが歌うボサ・ノヴァには、どこまでもチャーミングな雰囲気がつきまとう。
彼女の歌はロマンに満ちて、どれもがヨーロッパ映画の一シーンを思わせる。
ラテンの血が流れるボサ・ノヴァではなく、そよ風を思わせるさわやかさの中にもデリケートな感情のゆらぎがかんじられる音楽。そこがミラのボサ・ノヴァの面白いところなのである。
ボサ・ノヴァという音楽がこの世に生まれてから、すでに40数年。1960年代のはじめ、あっという間に世界中に広まったこの音楽は、あらゆる人々を魅了しながら、静かに成熟をとげてきた。そんなボサ・ノヴァが、ヨーロッパの才人によって、こんなにもロマンティックな美しさをもって歌われていることに、ある種の感慨をおぼえずにはいられない。
岡崎 正通 |
|