今回、ヤンソンのもうひとつの才能、すなわちビッグ・バンドの卓越した作曲家並びにピアニストとしての業績が始めて紹介されることになった。本作は2003年5月にスウェーデンで録音が完了したばかりで、日本で先行発売される。
全9曲ヤンソンのオリジナルで随所に彼のピアノがフィーチュアされる。ヤンソンのオーケストレーションの特色はアメリカのモダンなアレンジャーの如く、ブラスやサックスの分厚いハーモニーやテンションの強いアンサンブルを強調せず、自己のピアノ・ソロ部分はコンボを聞いているように軽快なこと、アンサンブルは消音ブラスや木管楽器を多用してテクスチャーの美しさに意を用いていること、作品のテーマがメロディアスで素人がきいても楽しめる旋律が多いこと、などである。
メンバーの音楽的水準は非常に高く、アンサンブルの音色が美しく揃っている上、アドリブ、ソロもうまく聞きやすい。それでいて、非常にコンテンポラリーでモダンな感覚に統一されているから、若い学生バンドに人気があるのだろう。
瀬川昌久
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