最新録音のこの「チェッキン・イン」は、前作とまったく同じメンバーのカルテットでレコーディングされたもの。ウルフもカルテットもみんなすべて快調。これなら北欧ジャズ・シーンと北欧ジャズ・ブームの核のひとつになって当然というジャズが響いてくる快作だ。
ウルフのギターはリヴァーヴが深くなるにつれて、ますます雄弁で利発になってきた感じだ。エフェクターの進化によって、ギタリストも様々な声が出せるようになったとはいえ、その分、「これぞ自分の声になる」という踊り場を見つけるのはかなり大変なこと。しかし、ひとつでもドアが開けば、創意と指先がブレなく連動し始めるのだ。
ここでのウルフのギターには、そんなコンテキストが見える。ジャズ・スタンダードが中心になった選曲も僕にはうなずけた。前作と違ってエレクトリック・ギターだけで通したのも、ジャズ・ギタリストであることのアイデンティティにフォーカスするためだろう。
これによってウルフ・ワケーニウスという北欧ギター・ヒーローの立ち位置や得意ワザなどのプロパティが、とてもクリアーに見えるようになったと言っていい。
成田 正
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